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キスの捌き方と握り方

夏の万能魚、キス

日本の沿岸にいるキス(鱚)には、シロギスと、後ろのセビレに黒い斑点があるアオギスの二種類があり、一般的に見かけるのはシロギスです。シロギスは大きい物では30cmほどになりますが、アオギスはそれよりも更に大きくなり、40cm程の物もいます。

味的には、シロギスに軍配が上がります。昔はキスゴと呼ばれていたらしく、語尾の「ご」がいつの間にか省かれてしまったようです。今でも地方によってはキスゴと呼ばれている所があるようです。

春から夏、海水温が上がると1mから15m程の浅瀬まで寄ってきますが、晩秋から冬の寒い時期は30mから50mと、深い場所に移ります。北海道南部より南の日本全国の砂底の浅い沿岸に生息し、投げ釣りの対象としても人気が高い。

●主な産地

シロギスは全国の砂底の浅い沿岸で獲れるので、特にどこが・・・という事はありません。アオギスもかつてはそうだったようですが、今では九州の大分や鹿児島、徳島など、限られたところでしか獲れなくなってしまったようです。

●アオギスとシロギス

アオギス:江戸前のてんぷらで使用 シロギス:握りに使用するのが一般的です。

下処理

東京すしアカデミー

<鮮度の見分け方>お腹がやぶれているもの 目が濁っているものは鮮度が悪いので気をつけて下さい。本日はシロギスを使用していきます。たんぱくで繊細 光物ですが白身魚との中間で扱われることが多いです。

1、うろこをはずします下身のうろこから、しっかりと取ります。

2、頭を落とし腹側を押さえながら内臓を抜きます。血合いと共に掃除しましょう。

3、水で洗います。血合いの部分を掃除していきます。ティースプーンの裏側で(細い棒状)掃除する方法もあります。

お腹の部分がさけないように注意しながら洗います。

4、魚体を拭いて水気を取ります。

背開き

東京すしアカデミー

東京すしアカデミー

1、上身の背中側に1~2ミリ切り込みをいれて、2回目の包丁で真ん中まで入れます。

2、お腹側を押さえることで背中側の肉が持ちあがります。そうすることで空間ができ中骨の部分をガンバラごと切り開くことができます。

3、骨に沿いながら、尻ビレの分まで切ります。

4、内臓を軽く掃除します。

<ひっくり返して下身の背中側をおこなっていきます>

5、下身の背中側に1~2ミリ切り込みをいれていきます。この時、一番最後の中骨まで刃先をもっていきます。

6、脊髄の部分を刃先で乗り越えてから、後は骨にそいながら上の方までおろしていきます。脊髄の部分が太く骨が硬い状態ですので包丁の刃先で調整しないとやりにくい魚です。

7、ガンバラをはずします。

湯霜・骨抜き

東京すしアカデミー

1、ふきんを置いてお湯をかけます。

2、皮目に対してお湯をかけます。 身がひるがってくるのでその後、水に入れて粗熱をとります。

3、粗熱がとれたら水気をきります。

<湯霜した場合の注意点>

冷やしたら冷やしたままの温度を保つことです。中途半端に温度が上がると ゼラチン化して皮目がくっついてしまいますので注意しましょう。

4、骨抜きをします(血合い骨の部分はしっかり抜きます。)鮮度や良ければ良いほど骨が抜きにくいです。

5、塩をふり2分~3分おき洗います。

昆布締め

酒で浸してもどしておいた昆布を使います。昆布で挟んで30分おいてから使いましょう。しっかり締めたい場合は1時間~2時間程度おきます。

切付け・握り

皮を引き、切付けますが、皮が取りにくい場合は皮に酢を3分~5分程度塗っておくと引きやすくなります。握りは、昆布締めにしたものはすだちとの相性がとても良いです。塩で食べて美味しい魚ですが、今回は夏らしく梅肉を使用しています。

握り

握りにして、完成です!

日本人と寿司の
近くて遠い関係

フジヤマ、キモノ、スシ。これらは海外から見た日本文化のイメージだが、私は富士山に登ったことも、着物を着たこともないし、寿司も握れない。

海外へ行くと日本人なんだから寿司を握ってとリクエストされることがある。寿司は家庭料理ではないんだよ。と断るのは簡単だがなんとも居心地が悪い。そんな私も日本人。

ホームパーティーや、営業・社交ツールとしての活用から、自宅で体験レッスンを開いたり、寿司の技術があれば世界が広がります。

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