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イカの印籠詰めの作り方

江戸前寿司の代表的時な調理方法でもある「印籠寿司」の作り方を学んでみましょう。食料保存が困難だった江戸時代はもちろん、現代でもイカなどを生で食べる習慣の少ない海外ではこうした、火を通したメニューは好まれるようです。

印籠詰めとは?


<印籠づめ」の由来>

水戸黄門」でもおなじみの「印籠(いんろう)」。印籠は印鑑や自分の常備薬を入れておく携帯の薬入れなのです。印籠は木を削って原型を作り、漆を塗って作るのですが、デザインもとても凝っていました。江戸時代には武士の帯飾りとしての役割もあったそうです。

印籠は最先端の男性のファッションアイテムだったのですね。日本料理にも、この印籠を模して、中に素材を詰め込んで煮たりする料理があります。

イカを使う場合は、中にご飯を詰めて作る「印籠詰め」が有名です。今回はスルメイカを使いますが、もう少し高級感の出るヤリイカを使ってもいいでしょう。

イカの下ごしらえ

エンペラ(三角形をしたヒレ)を引っぱりながら、ゲソと身に分けます。ゲソから墨管と内臓を取り除き身から軟骨と内臓を取り除きます。ゲソの両目の中央あたり、少し山形になっている部分からワタを切り離しゲソの裏側の中心から切り開きます。

口の部分の両側に切り込みを入れ、口および目を取り除きます。ゲソ先(足)をしごいて、吸盤に付着している硬い殻を取り除きます。

下ごしらえしたイカを中の方まできれいに洗い特に足の吸盤の殻が残らないように水で流しながら揉み洗いしますゲソを煮る前、まだ身が柔らかい生のうちに、表側に軽く包丁で鹿の子状に切れ込みを入れます。最後に裏面にして、包丁で叩きます。

イカを茹でる

出汁の割合:出汁6〜8 /濃口醤油 1/みりん 1(煮切ってアルコール分を飛ばしたもの)

出汁がまだ冷たい状態からイカを入れ、落としぶたをしますこの時に出汁に葱(青い部分)や大根のスライス、おろし生姜を入れると甘みが出て、出汁が美味しくなります。

出汁が沸騰する直前(90℃〜95℃)に一度火を止めて常温まで冷ます過程で味が染み込み、より風味豊かに仕上がります。低温調理の場合は60℃で20分から30分を目安に茹でます。

ただし、殺菌効果など衛生面のことを考えると、沸騰させる程度の温度で茹でた方が確実です。

五目ご飯を作る

シャリ 150g
おぼろ   5g
青のり 2〜3g
干瓢 30g〜40g(煮椎茸もあると望ましい)
ガリ 30g〜40g
ごま 1〜2g
ゲソの細切り(出汁の中に一晩漬け込むとなお良い)
甘ダレ(ツメ)先程の煮イカの出汁に砂糖と蜂蜜を加えたもの 少々

イカの中に詰めやすいよう粘りを出すため、混ぜご飯を揉みこんでいきます

五目ご飯をイカに詰める

表面の色落ちを防ぎたい時は、ラップで包んだり、ビニール手袋をすると良いでしょうご飯は奥までぎっちりと(イカ一匹に約70g〜80gのご飯)詰め、1・2時間寝かせます。

ご飯が詰まったイカを1㎝弱の厚さに切り、盛り付けます。最後に甘ダレ(ツメ)をかけましょう。このイカの印籠詰めは何よりも火の入れ具合が大事。絶妙な火加減で、程よい柔らかさになるようにします。

低温調理だと柔らかくは仕上がるけれど、イカの皮がはがれやすくなります。見た目もよく、なおかつ柔らかく仕上げるまでにはちょっとしたコツがいります。いろいろ工夫してみて美味しい印籠詰めを目指してください。​​​​​​​

日本人と寿司の
近くて遠い関係

フジヤマ、キモノ、スシ。これらは海外から見た日本文化のイメージだが、私は富士山に登ったことも、着物を着たこともないし、寿司も握れない。

海外へ行くと日本人なんだから寿司を握ってとリクエストされることがある。寿司は家庭料理ではないんだよ。と断るのは簡単だがなんとも居心地が悪い。そんな私も日本人。

ホームパーティーや、営業・社交ツールとしての活用から、自宅で体験レッスンを開いたり、寿司の技術があれば世界が広がります。

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